いじめ問題は日本の風習と関係している

最終更新日 2024年4月6日 by hitozu

いじめ問題を考える

いじめ問題は日本社会の中で常に強い関心を集めていますが、いまだに有効な解決策が見つかっておらず、何十年も同じようなことを繰り返しています。
いじめ問題は人間関係の中でも、人が多く集まる集団の中で起こることが多いという特徴があります。

1対1での人間関係の悪化も誰もが抱えていると言えるほど頻度の多い悩みですが、1対1の人間関係のトラブルはいじめとは呼ばれません。
一般的にいじめ問題というと学校に通っている子供がクラスの中でいじめられるという問題を指します。

しかし、実際にはいじめは子供の問題だけでなく大人の社会にもあり、何人かの人が集まり集団になった時に起こり癒すいという点も子供の場合と同じです。

これは日本に古くからある村社会文化の風習が深く関わっています。

日本では昔から稲作が行われており、今のように農業機器が発達するまでは、人力で全ての作業が行われてきました。
農業を人力で行うということは、今では考えられないほどの労働を必要とし、1人で行えるものではありませんでした。

そこで近所の家々が集まり、集団社会を作って協力をしあいながら農業を行ってきました。
その際には、みんなで同じ作業をしたり、同じ予定を立てて仕事を行うので協調性が必要です。

日本ならではの協調性という体質

1人だけが違った行動をしていたり、集まるべき場所に集まらないということがあると、予定通りに作業をすることができません。
そういったことがあると、農業が成り立たなくなり、その村の人全てが食べていけなくなってしまうということがありました。

そのため、近所に住んでいる人が村の風習に従わなかったりすると、他の家まで迷惑を被ってしまうということが多く、そうならないように和を乱さないという決まりが発展しました。
そういった文化の中では、少しでも人と違ったことをする人を排除するということが多く、それは最初は自分たちが生きていくために必要なことだったからです。

そういった文化で育った人が増えてくるにつれて、人と違うことをしてはいけない、人に迷惑をかけてはいけないという価値観が強くなっていきます。
それ自体は、そこまで悪いものではありませんが、自分の考えと違う人を排除するという考えになってしまうと、どうしてもいじめが起きやすくなってしまうのでしょう。

日本の自殺率は大人のいじめ問題も関与している

これは大人の社会でも同じで集団の中で、人とは違ったことをするような人がいると、他の人に無視をされるなどいじめ行動をとられることがあります。
日本では自殺率も高いということが問題になっていますが、それも大人のいじめ問題と関係している部分もあるでしょう。

人間関係の悩みを抱えている人が多いということは、相性が悪いというだけでなく、いじめが行われている可能性が高いからです。
いじめはしている本人が気付かないうちに相手が傷ついているというパターンもあり、いじめをしているという意識がないと、いつまで経っても相手の気持ちに気付くことができません。

その結果、人間関係のトラブルが悪化してしまい大きな問題に発展してしまうのでしょう。

いじめている側が自覚をしない限りいじめはなくならない

こういったいじめ問題は、いじめている側が自覚をしない限りなくなることはありません。
古くからある当たり前の価値観を見直してみると、もしかしたら自分もいじめをしているかもしれないということに気づけるはずです。

自分とは違った人が気に食わないということはわかりますが、それでも相手を傷つけていいわけではありません。
いじめ問題はいじめをする人がいなくなえば解決する問題ですが、いじめをする人がいつまでたっても減りません。

いじめられる人の話ばかりに注目されていますが、本当に大切なことはいじめている人をなくすことです。
特に自覚をしていない人がいじめをやめるだけで大きく社会が変わるでしょう。