ブラック企業の定義について再び考える必要がある

最終更新日 2024年4月6日 by hitozu

そもそもブラック企業とは?

近頃は毎日のように「ブラック企業」という言葉が各メディアで使われています。
どの言葉にも言える事ですが、世間で広く使われるようになると、意味合いが伝言ゲームのように変わっていきます。

メディアやコメンテーターの方々が独自に解釈を加えて使う事もしばしばです。
今一度ブラック企業とは元々どういった定義だったのか、再考しなければいけません。

元々その言葉はインターネットのコミュニティで生まれたネットスラングでした。
違法な労働環境で働いているネットユーザーがそのシビアな現状を吐露する際に初めて「ブラック企業」という言葉を用いた、というのが由来です。

昨今では単に仕事が厳しい現場を指して、その言葉が使われるようになって来ました。
同じ表現なのに人によって解釈が既に大きく変わってきており、違法な労働現場という意味合いはむしろ薄れ始めています。

そのため年配の方々や一部の識者の間ではブラックな職場環境をむしろ推奨する動きが逆に加速しています。
単純に長時間労働がある現場、業務内容が特殊という特徴だけでブラックな職場だと勘違いする若者も出てきました。

少々手厳しい状況でブラックと呼ぶのは間違いじゃない?

昔から労働条件が少し厳しい会社がありましたし、若い頃は技能を習得するため、ある意味で厳しい条件で働かなければいけません。
若い世代を中心に少しでも職場に厳しい要素があると、即ブラックな現場だとレッテルを貼る風潮が出てきてしまっているのは残念な流れです。

一方で完全に労働基準法に違反しているにも関わらず、それを社員教育との錦の御旗を掲げる企業があるのも事実です。
若い世代がちょっとした事でブラック企業という言葉を連呼し、すぐに会社を辞めてしまうのも社会の損失ですが、それ以上に問題視されなければいけないのが、明確な違法行為をしているにも関わらず、その実情が改善されておらず、むしろ識者やメディアによって容認されている実態でしょう。

景気回復によって違法行為を社員に強いる企業は一時期に比べて淘汰されました。
それでも依然として数多くのアンモラルな組織は健在であり、特に各種ハラスメントが横行している会社、違法な長時間労働を強いる組織が未だに多く残されています。

セクハラやパワハラは明らかにルール違反である

セクシャルハラスメントやパワーハラスメントは明確なルール違反の行為です。
旧態依然として風土が残る組織では各種ハラスメントが逆に慣例や伝統的なものとして残されています。

若手社員にあえて理不尽な行為を強要し、長時間労働を状態化させ、不眠不休で勤務させた上で、この過酷な労働条件でも従順と組織に従う若手社員だけを昇格させる、まるで蟲毒のような人材育成をする組織も少なくはありません。

セクハラの定義も近年では乱用されており、一部のフェミニストやメディアが実際はセクハラに該当しない些細な世間話までもハラスメント行為だと決めつけています。
現役世代の中ではその乱暴な定義づけに反発を覚える人々が増えて来ており、逆にセクハラという言葉が軽くなり過ぎて、本当に性的な嫌がらせに苦しむ女性がスルーされている矛盾した社会事情があります。

セクハラの定義を改めて考える

法的な意味でのセクシャルハラスメントとは基本的に上司や組織が、立場の良い人物に対して性的な嫌がらせや性的接待を強要する事です。
実は世間的にはかなり広範囲に定義が拡大し、言葉が乱用されていますが、いわゆる労働問題に関する用語です。

組織的に女性社員の性を利用して、クライアントから契約を得るように強いる、こういった実態を持つ組織は想像以上に多く、こういった組織的風土が残る企業こそ紛れもないブラック企業です。

女性の中には仕事を失う恐怖のあまり、知らず知らずのうちにブラックな組織風土に適応してしまい、感覚がマヒしていきセクハラ行為に慣れてしまう事例も珍しくはありません。