なかなか解消されない待機児童問題

最終更新日 2024年5月3日 by hitozu

深刻な待機児童問題について

子供を預ける保育施設が必要であるにも関わらず、入ることのできない児童のことを待機児童といいます。
雇用に関しては男女雇用機会均等法が施行されて女性でも働きやすい環境が整いつつありますが、肝心の保育施設はまだまだ足りていません。

預け先がないと産休や育休で休んでいる女性たちが職場に復帰することができずに自宅で子育てをしなければなりませんので、企業にとっては大事な戦力を失うことになります。

女性の社会復帰を遅らせる原因となり、家計を圧迫することにもつながりますので深刻な問題です。
待機児童にならないように、妊娠中から預け先の絞り込みを行って申込みも迅速に済ませられるように準備万端で臨む人が増えており、保活という言葉も登場しています。

保活を行わないと、結局復帰予定日までに保育所を決めることができず、仕事を続けられなくなるというのが最大の懸念事項です。
認可保育所以外に預けるという選択肢もありますが、利用料の高さや保育環境の質などがネックとなりますので、安くて設備や内容の充実している認可保育所を利用したいと思うのは当然のことです。

少子化問題にも大きく関わっている

無認可の場合には法の規制がかなり少ないので、時間外保育や教育関連において認可よりも劣っていると指摘されています。

これらのことを考えると子供を何人持ちたいのかやタイミングにおいてとても慎重になってしまいますし、万が一保育所が決まらなかった時のことも考えなければなりませんので決断するのがとても難しくなります。

少子化に歯止めがかからないのはこういった事情もありますので、より良い社会を目指すには待機児童問題の解決が必要不可欠です。
社会全体から見ても、保護者が働き続けられないと労働人口の減少につながって働き手不足の原因になりますので、経済面にも大きな打撃を与える問題として様々な取り組みが始まっていることは事実ですが、まだ表立った成果をあげられてはいません。

女性の社会進出が進んで就業率が上昇しているのも要因のひとつ

何の対策も講じられていないというわけではないのに一向に待機児童問題が解消されないのにはいくつかの原因が絡んでいます。
女性の社会進出が進んで就業率が上昇していることがまず最初に大きな要因として考えることができ、これには男性の非正規雇用の増加によって家計が不安定になった背景があります。

働き手である男性の収入が不安定になれば、家計を助けるために女性が働きに出るのは当然の流れですので、非正規雇用の増加も早急に対処しなければならない問題です。

女性も社会進出を果たした後はキャリアを求め始めることがあり、この現象がより待機児童の増加に拍車をかけています。

都市部に人口が集中していることも待機児童の原因です。
人口増加に伴い労働人口も増えると、保育所に預けたいと考える人が多くなります。
人口が集中してしまうのを避けるための対策が必要ですが、都市部に拠点を置いた方が仕事をスムーズに進められるというケースも多いため、分散化するのは簡単ではありません。

保育士の数も足りていない

昔のように、家に祖父母世代がいて各家庭で子供の面倒を見るという時代でも無くなっていますので、両親が働きに出れば当然子供は預けなければなりません。
核家族化が保育所不足を深刻化させている要因の一つであり、保育施設の需要は年々高まりつつあります。

これらに加えて保育士の数も足りていないと言われており、資格を取得しても就職しない人が半数を占めるというデータもあります。
休みが少なかったり体力的に厳しかったり給料が安いなどの問題が指摘されていますので、保育士の待遇改善も待機児童問題を解消するには必要なことです。

保育施設の基準見直しや無認可保育施設の活用推進など様々な対策は行われていますが、問題は山積みです。